FIFA World Cup 2014FIFAワールドカップ 2014 ブラジル大会

1986年のワールドカップ優勝メンバーであり、そしてレアル・マドリーなどで監督を務めた元アルゼンチン代表のホルヘ・バルダーノが、今年のワールドカップについて現在の思いを語った。

−ブラジルではスタジアム建設の遅れや市民のデモなどの報道もあるが、ワールドカップは成功すると思うか？

個人的には心配しなくてもいいと考えている。ブラジルという国はサッカーをすごく愛しているし、優秀な選手を絶えず輩出している。そんな国で行われるワールドカップはきっと素晴らしい大会になるだろう。不安視されている問題も、開幕までには解決されることを祈っている。

−注目している国は？

まずはブラジル。常に世界の強豪であり、自国開催の今年は優勝候補であることは間違いないと思う。私はとりわけネイマールに注目している。昨年のコンフェデレーションズカップでも内容がとても良かったし、“ブラジルの10番”というプレッシャーに負けてしまうようなメンタルの持ち主でもないだろう。他ではスペインとドイツ、アルゼンチンも優勝候補だと思う。イタリアも注目はしているが、ピルロ頼みのチームになっているところが少し心配。あとは南米のコロンビアとチリも好成績を残すのではないかと期待している。

−以前あなたはアルゼンチンやポルトガルがメッシやクリスティアーノ・ロナルドにそれぞれ依存するチームになってしまうことは避けられないと話していました。ファルカオの存在が大きいコロンビアの場合、仮にファルカオが欠場すると大きな損失となると思いますか？

それはありうると思う。ファルカオがワールドカップに出られないとなればコロンビアにとっては100%マイナスとなる。ただ、コロンビアについては“ファルカオに依存している”チームではないのではないか。

−ファルカオがワールドカップ出場に向けて調整していることを、どう思う？

彼がワールドカップに出るために日々努力していることは承知している。年齢的にもファルカオにとって今がピークだろうし、出場したい気持ちは共感できる。ただ選手にとって膝の靱帯は無理をして良い箇所ではなく、入念なケアが求められる。無理してワールドカップに出て、万が一同じ箇所を痛めたときが心配だ。ファルカオにはワールドカップの先にも大切にすべき未来があることを覚えていてほしい。