- Campeonato Brasileiro Serie A 2016ブラジル全国選手権 1部 2016
マラカナンで逮捕されたうちの一人が主張した冤罪の根拠は“状況証拠”と“サマータイム”
「フラメンゴ vs コリンチャンス」の試合前にスタンドで起きた暴動の続報
▲ 試合開始の約35分前にマラカナンのスタンドの一角で発生したサポーター同士の暴動は、やがて「武装警官vsコリンチャーノ」の殴り合いに発展した
試合前に暴動が発生したのは、先のオリンピックでも開会式や閉会式の舞台になったリオ・デ・ジャネイロのエスタジオ・ド・マラカナン。一連の出来事の経緯は、次のとおりとなっている。
16:26:スタンドの一角でサポーター同士の暴動が発生
16:32:武装警官の大量導入により暴動鎮圧
17:00:キックオフ
(時刻はいずれも現地時間)
このとき逮捕されたアンドレ・ルイス・タバーレス・ダ・シウバ容疑者は、暴動発生時には自身がマラカナンの外にいたと主張。同行していたカメラマンの友人が撮影した写真を、状況証拠として当局に提出した。前述の2人は友人4人とともに計6人で観戦に訪れていて、このうち同容疑者だけが唯一逮捕された。逮捕容疑は武装警官に暴力を振るった公務執行妨害とされていて、カメラマンを含めた他の5人は暴動に関与しなかったという。
▲ 証拠写真の1枚目。マラカナンの入場口へ向かう後ろ姿が映っていて、左上の時刻は15:29となっている。(時刻設定がサマータイムになっておらず、実際は16:29だったと主張)
一方2枚目の写真は、同容疑者が自撮りしたかのような一枚。マラカナンの外観が遠くに小さく映っていて、容疑者グループはこれからマラカナンを目指して歩いている様子だ。場所は地下鉄の駅から地上に出てすぐのところで、このときの時刻表示は 16:16 となっている。スタンドで暴動が発生する10分前にあたり、テイシェイラさんによればこの撮影時は撮影機の「サマータイム」設定が正常になされていたため、実際の時刻との差異はないとのことだ。
▲ 証拠写真の2枚目。地下鉄の出入口から出てきてすぐの一枚で、遠くにマラカナンが小さく映っている。左上の時刻は16:16となっていて、こちらはサマータイム設定になっていたとのことだが…?
写真を撮影したとされるテイシェイラさんは、「我々6人はコパカバーナでランチを済ませてから、地下鉄に乗ってマラカナンへ向かった。スタンドで暴動が起きたときは、まだマラカナンに入っていなかった」と述べている。この件で弁護側についたガブリエウ・ミランダ・モレイラ弁護士は「状況証拠として提出した写真がすべてを証明していて、彼は暴動発生中にマラカナンの外にいたことは明白。逮捕は不当だ」と嘆いた。
弁護側は他人のそら似による誤認逮捕と冤罪を訴えているが、当局は地元メディアの取材に一切応じていない。
2016.10.25
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