- Campeonato Paulista 2020カンピオナート・パウリスタ 2020
ブラジル最多の感染者数を有するサンパウロ パカエンブーのピッチが臨時病床になるなど深刻
ブラジルでCOVID-19の感染者数最多のサンパウロを苦しめている感染症対策の実情
▲ サンパウロの伝統的なスタジアムであるエスタジオ・ド・パカエンブーのピッチに臨時建設された救急病床。200床収容可能とされる
サンパウロ州では元々、カンピオナート・パウリスタ(サンパウロ州選手権)の中断期間を5月10日までとしていたが、FPF(サンパウロサッカー連盟)が5月4日に各クラブチームの代表とのオンライン会議を実施して、州選手権の再開時期について話し合いを行う予定となっている。そこには、感染学者のデイビッジ・ウイッピ氏も同席するという。
COVID-19の安全対策を講じるのを条件としてトレーニング再開を容認する方針を示しているFPFだが、現時点で州選手権の早期再開は望み薄の状況にある。
サンパウロ州自体が5月10日まで厳戒態勢を継続することを表明しているだけでなく、同州のジョアン・ドリア州知事は8日も、11日以降に関する新たな措置を発表するとみられている。仮にそうなれば、ブルーノ・コバス市長のサンパウロ都市部についても経済的な閉塞感は続くことになる。
ちなみに、医療崩壊が起きつつあるサンパウロでは、かつてコリンチャンスがホームスタジアムとして使っていたエスタジオ・ド・パカエンブーのピッチに仮説の救急病床が設置されるなどしていて、深刻な状況であることがうかがい知れる。(写真参照)
以上の流れから、カンピオナート・パウリスタでは、ファーストステージの残り2試合と決勝トーナメントについて、同州の郊外都市での開催を主張する声も挙がっているという。だが、感染学者のウイッピ氏は、「そんなことをすれば、サンパウロの都市部で流行しているウイルスがサポーターの移動に比例して郊外での感染者数を増加させる危険もあり、都市部よりも医療体制が脆弱な郊外にウイルスが蔓延すればさらなる危険が待っている」と反対の意向を示している。
サンパウロ州の次に感染者数の多いリオ・デ・ジャネイロ州では、カンピオナート・カリオカ(リオ・デ・ジャネイロ州選手権)を首都ブラジリアで代替開催する案も浮上するなど、ブラジルサッカー界を取り巻く環境は依然として厳しい。
2020.05.03
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